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中央銀行ってどんな仕組み?

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今週最後は中央銀行が担っている役目と仕組みについて紐解いていきましょう。
 

【金融システムの中核】

日経をヨクヨムためのナビサイト nikkei4946.com

http://www.nikkei4946.com/index.aspx抜粋)

金融システムの中核的機能を担う特別な銀行

金融システムの中核的機能を担う特別な銀行

中央銀行は、その国の金融システムの中核をなす特別な銀行です。日本では日本銀行(日銀)、米国では米連邦準備理事会(FRB)を中心とする連邦準備制度(FRS)、英国ではイングランド銀行、EU(欧州連合)諸国(ユーロ圏)では欧州中央銀行(ECB)がこれにあたります。一般に各国の中央銀行には次の3つの機能があります。

 

①発券銀行

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銀行券(お札)を独占的に発行します。銀行券の価値(お札の信用)が損なわれないよう、汚れたり破損したものを廃棄するなどお札の管理も行います。

 

②銀行の銀行

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民間銀行は中央銀行に当座預金口座を開設しています。これを通じて民間銀行から預金を受け入れたり、貸し出しをするなど「銀行にとっての銀行」の役割をはたしています。この口座を通じて銀行間の決済の仲立ちをする機能も担います。

 

③政府の銀行

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税金など政府の資金を管理します。また政府の一時的な資金不足に対して貸し出しを行ったり、国債の償還・利払いの事務なども扱います。

中央銀行の目的は、物価の安定や景気の調整をはかり、経済の健全な成長を維持することです。この目的を達成するために
①~③の機能を利用して「金融政策」を実施します(詳細後述)。

このように中央銀行はきわめて公共性が高い機関ですが、一般に政府からは独立した機関となっています。これは政府が政治的判断で紙幣の発行や金融政策を実施することを避けるためです。
 
ただ、中央銀行と政府の施策の方向性が大きくかけ離れてはその国の経済運営に混乱が生じます。このため政府と中央銀行は密接に連絡を取り合い、金融政策と財政政策などの経済政策を進めています。
 
金融政策の中心となる「公開市場操作」
金融政策の中心となっているのは「公開市場操作(オペレーション)」です。

これは中央銀行が金融市場において民間金融機関との間で国債や手形など売買することにより、市中に出回るお金の量や金利を調節するものです。新聞などでは「オペ」と表現されます。

 
中央銀行が民間銀行から国債を買えば、銀行の手持ちの資金が増えます。
金融市場に出回るお金の量が増えますから金利は低下し、企業や個人がお金を借りやすくなります。
お金の流れが活発化するので、景気が刺激され、物価は上向きやすくなります。
 
逆に、中央銀行が銀行に国債を売れば、銀行の手持ちの資金が減ります。
金融市場に出回るお金の量が減り、金利には上昇圧力がかかります。金利が上がれば企業や個人がお金を借りにくくなり、お金の流れは縮小します。
 
景気は抑制され、物価は低下しやすくなります。

なお、公開市場操作によって政策的に誘導される金利を「政策金利」といい
日本の場合、銀行同士がごく短期間お金を貸し借りするときの金利である
「無担保コール翌日物金利」がこれにあたります。
 
金融政策にはこのほか、銀行が中央銀行の当座預金口座に預け入れる割合(預金準備率)を変更することで、市中に出回るお金の量を調節する「預金準備率操作」などがあります。
 
一般に、金利の引き下げなどによって市中に出回るお金の量を増やし、景気の浮揚を促すことを「金融緩和」、反対に金利の引き上げなどによってお金の量を減らし、景気の過熱を抑えることを「金融引き締め」といいます。
リーマンショック以降、主要中央銀行の金融緩和策が相次ぐ(1)

 景気悪化局面においては、中央銀行は金融緩和策を実施します。

例えば日銀は、日本経済が不況に陥った1990年代半ばから低金利政策を実施しており、99年2月から2000年8月まで、政策金利を限りなく「ゼロ」に近づける金融政策を初めて導入しました。

これは「ゼロ金利政策」と呼ばれます。

お金を貸し借りしても金利がかからないわけですから、世界でも例を見ない異例の措置でした。06年、10年にも実施され、現在にいたるまで日本の金利は低い水準が続いています。



ゼロ金利政策はその後海外の中央銀行も実施しています。
08年秋の大手証券会社リーマン・ブラザーズの経営破たんをきっかけとする金融不安(いわゆるリーマンショック)に対応するため、米FRBは08年、同国の政策金利であるフェデラルファンド金利を年0~0.25%に誘導する事実上のゼロ金利政策を実施。イングランド銀行とECBも政策金利を1%以下の低水準に引き下げました。

 
このように金利がきわめて低い水準になると、それ以上引き下げることはできません。
そのため主要中央銀行はリーマンショック以降、民間金融機関の資産を買い取ることで資金を供給し、市中のお金の流れを活発化する新たな政策を導入しています(「非伝統的金融政策」と呼ばれます)。


具体的には、米国は08年~10年と10年~11年に金融機関から米国債などを購入する政策を実施(それぞれQE1、QE2と呼ばれます)。日銀は10年に国債やCP(=コマーシャルペーパー。

企業が金融機関などから短期の資金を借り入れる際に発行する有価証券の一種)などの金融資産を金融機関から買い入れる基金を創設しています。

ECBも09年以降の欧州経済危機に対応するため、12年3月までに金融機関に円換算で合計100兆円規模の資金を供給しています。

リーマンショック以降、主要中央銀行の金融緩和策が相次ぐ(2)

リーマンショック以降、主要中央銀行の金融緩和策が相次ぐ(2)

主要中央銀行は現在も金融緩和の姿勢を崩していません。ECBは11年11月、12月と連続利下げを実施。

FRBは12年1月、ゼロ金利政策を14年末まで延長すると表明しました。日銀も12年2月、資産買い入れ基金の規模を拡大しています。
こうした世界的な金融緩和の流れを受け、株式相場が上昇するなど世界経済に好影響が出始めています。
 
12年3月には日経平均株価も半年以上ぶりに10000円台を回復しました。
金融政策のあり方は、その国の中央銀行が経済の現状をどう認識し、先行きをどのように見通しているかを如実にあらわします。
 
そして世界の金融市場は、主要中央銀行の金融政策動向に敏感に反応します。欧州経済危機の緊張がやわらぎ米国の景気に明るい兆しが見えるなど、世界経済は今、再び上昇曲線を描けるかどうかの重要な岐路に立っています。
日米欧の中央銀行が今後どのような政策を打ち出すのか、その動向に注目しましょう。

 

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